熱はからだの防衛反応のひとつであり、風邪のウイルスなどをやっつけるために熱が出ます。
したがって、やたらに熱を下げることは決していいことではなく、かえって病気の治りが遅くなるという説もあります。
本人がさほど苦痛でない熱であれば、やたらには下げない方がいいです。
かといって、高熱でつらくぐったりした状態が続き、食べるのも飲むのもできなくなってしまう、というのもいいことではありません。
部屋を寒くない程度の室温にしておき、普段よりやや薄着にして布団を掛けすぎないようにして、熱を放散させて下がるようにするといいです。 たくさん着込んで布団を厚くかけ、汗をたくさんかかせて熱を下げる、というのは体力の十分ある若者ならともかく、小児にそのようなことをすると体力も消耗するし脱水になってしまうこともありますのでおやめください。
【解熱剤の使い方】
むやみに使うのは望ましいことではなく、熱が高くなったら下げないといけないというのは誤解です。使わないで済めば、使わないにこしたことはありません。
一般的には、38.5℃以上を目安に、と言われますが、熱の高さよりは本人の様子を参考にするといいでしょう。
つまり、39.0℃くらいあっても本人が元気であれば使わなくていいし、38℃少しでもぐったりしていたり、熱でつらくて眠れないようなら、使ってあげてかまいません。
坐薬、散剤、シロップ、錠剤などがありますが、坐薬がとび抜けてよく効くというものではなく、本人もしくは面倒を見る人が使いやすいものでいいのです。
【昔からよく言われる迷信】
1.熱が高くなると頭がおかしくなるのでは?
髄膜炎・脳炎などが原因の熱ではそういうこともありますが、そういった時には意識がおかしい、けいれんが頻発する、止まらないなど、普段とは違う重篤な症状がみられるものです。
風邪、気管支炎、肺炎などの脳と関係ない病気では、熱のせいで頭がおかしくなることはまずありません。
意識がはっきりしているようであれば、まず大丈夫です。
高熱でもやたらに解熱剤を使う必要はありません。
2.風邪の時は入浴してはいけない?
高熱でぐったりしている、水分も満足にとれていない、何回も吐いている、などという場合にはやめておいた方がいいですが、37℃台以下で水分をしっかりとれている状態であれば、湯冷めをしないように注意すれば入浴はかまいません。
咳や鼻づまりなどには、かえって入浴して蒸気をたくさん吸ったりした方が落ち着きます。
外風呂や銭湯などの昔の日本の習慣のために、このようなことが言われていたようです。